「三島は水の街だから、水辺を」。そう思い込む。だが事実を重ねれば、三嶋大社の門前町、うなぎと箱根西麓野菜の食のまち、東海道の宿場町が育てた飲み屋街、あるいは東京のベッドタウンかもしれない。すべてを一度に更新できる予算は、どの市にもない。だから、まちの実像を見極め、順番を決める。デジタルは、そのための土台だ。
課題を、並べる
賑わい×防災×インフラ×公共施設×空き店舗
データを重ねて分析する
人口×高齢化×築年×災害×人流×業種別経済
優先順位が視える
根拠を持って決める
にぎわいは、賑わいの話だけでは決まらない。観光客・移住・若者・イベントといった「人をどう呼ぶか」だけを見ても、順番は決まらない。守り(防災・インフラ・公共サービス)と攻め(賑わい)を同じ土台に重ね、何を・どれだけ・どの順番で整えるかを、データで決めていく。
守り
守るべき場所が浮かぶ
浸水想定(想定最大規模)× 高齢化率。低地(斜線)に高齢化の街区(濃い青)が重なる所が、「誰から先に守るべきか」を示す。避難計画もインフラ更新も、同じ地図で順位づけできる。
出典:国勢調査2020(総務省統計局)/PLATEAU(国土交通省)/Z-AIによる試作
攻め
受け皿と伸びしろが見える
昼間人流 × 建物の築年(濃い茶=1980年以前=旧耐震)。人が集まるのに建物が古い場所——歴史的価値のある建造物も多い——は、活かせば賑わいが伸びる。そこが賑わいの伸びしろだ。
出典:人流オープンデータ(国土交通省)/PLATEAU(国土交通省)。推計を含む。/Z-AIによる試作
思い込みで、まちの未来は決められない。要るのは、守りと攻めを同じ地図に重ね、優先順位を出し、変化に合わせて更新しつづける分析基盤だ。本紙の地図は、その試作である。
未来編 — 市内データだけでは足りない
だが、そもそも。市内データだけでは、三島の「未来」は予測できない。
市の外に出て、国内外の似た構造を持つ街のデータを重ね、先を行く街に三島を映して、10年後・30年後を予測することだ。
たとえば、二つの「そもそも」
そもそも —
人は、これからも「歩いて集まる」のか。
買い物のための徒歩は、モール化・オンライン化で世界的に減った。だが「歩く」には二つある。生活のために歩くまち(住む・働く・買い物が徒歩圏に揃う「15分都市」型)か、歩きに来たくなるまち(水辺や門前の風情そのものが目的になる回遊型)か。どちらを選ぶかで、まちづくりの優先順位も予算配分も変わる。
そもそも —
人口構成は、今のままか。
人口減少を移民で補う流れは、すでに各地で始まっている。国内でも海外でも、産業の担い手を移民に頼り、住民の構成が大きく変わった都市が生まれている。構成が変われば、必要とされる言語・食・信仰・サービスが変わる。三島もそうなっていくのか——備えが要るかどうかは、先行する街のデータが教えてくれる。
答えは憶測ではなく、すでにこの変化を生きている街の——国内外の——データの中にある。
先を行く街 = 三島の「予告編」
(今)
似た街
似た街
(未来)
似た構造の街を選び(人口構成・産業・地形・交通)、先を行く国内・海外の街に、三島を時系列で重ねる。すると、その街の「今」が、三島の10年後・30年後を教えてくれる。未来を先取りして、決める。
まちは変化しつづける。その変化に追随できる分析の「基盤」づくり——守りと攻めを同じ地図に重ね、優先順位を出し、変化に合わせて更新し続ける仕組みづくりが重要である。
そして、それを担うデジタル戦略の専門家が必要である。
五十嵐こと AIプロダクトアーキテクト
公益財団法人 静岡県産業振興財団 登録専門家 / Z-AI株式会社 · https://z-ai.co.jp